2011年9月7日水曜日

『点と線』

月曜の夜11時――ちらっと見るだけ、と思って本を開いたのが間違いで、結局日付が変わるまで夜更かしして読み切ってしまった。週の初めから何してるのやら。

松本清張は初めてだったが、なるほど面白かった。

裏表紙によると、これが出世作だったらしい。読み終えてから1957年連載の作品と確認し、色んなことが納得できた。なぜなら、現代目線で見ると、犯人は最初の10数ページで見当がつくし、トリックも「電車じゃなければ飛行機か船なんじゃないの…?」と思ってたら本当に飛行機だったし。引っ張るだけ引っ張ってこのオチかよ――?と突っ込みたくもなったが、1957年なのだ。まだ東海道新幹線さえ開業する前のこと。飛行機などとても庶民の乗り物とはいえず、読者にとって予想外の移動手段たり得たのだろう。

犯人の目星がかなり初期の段階でついてしまうのは、あえて犯人を明示したうえで攻防を描く古畑警部補のような手法をめざしたのか、あるいは当時の読者にはこれでも十分最後まで謎として提示できたのか。もうちょっと作者の他の作品も読んでみないと判断できない。

犯人はその時代に飛行機を乗り回すほどの金持ちなので、何も自ら手を汚さなくても良かったのではという気がしたし、被害者男性の愛人については結局誰だか分からずじまいだった(一方、被害者女性が犯人の愛人であることは状況から予想の範囲内)。いくら国内線でも乗り継ぎ1時間ってのは短過ぎないか?と思ってみたり。突っ込みどころはそれなりにあるものの、客観的な証拠を積み重ねて追い詰めていくスタイルは、やはり文句なしに面白い。1950年代という時代の描写も含めて、半ば推理小説、半ば時代小説として楽しめた。

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