2014年3月26日水曜日

Tax

開発の文脈で語られる民間投資の意義といえば、雇用創出と税源確保の2点がよく挙げられる。国家にとって税金とは、企業の損益計算書(Income StatementまたはP/L)の一番最初の行に出てくるRevenueみたいなものだ。企業は収益をすべて株主配当するのではなく、一部取り置いて(内部留保、Retained Earnings)再投資に回すことで成長を実現し企業価値を高める。同様に、国家も必要経費を差し引いて残った分を再投資しないと経済成長出来ない。税金は公務員を喰わすためだけにあるのではなく、再投資の資金源であるという意味で重要なのだ。

安定した税収のためには、公平感のある制度設計だけでなく、ルール通りに徴収できることが重要だ。これが案外むずかしくて、個人的に開発の現場で見聞きした範囲に限っても、大地主や大口ビジネス事業者が堂々と脱税していた例というのは複数思い浮かぶ。

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2012年、小売業世界最大手のウォルマートが、メキシコ進出にあたり地元市役所へ恒常的に(そして恐らく組織的に)賄賂をおくっていたことが問題となった。スケープゴートにされたウォルマート現地担当者の言い分は『我われは時間を買っただけ』――つまり、事業認可取得を早めるのが目的だったとコメントしている(ウォルマートは彼一人の問題として処理し幕引きを図ろうとした)。確かに、国によっては、通常より少し多めに払うことで、優先手続きしてもらえる制度を持っている場合もあろう。賄賂と制度化された優先手続と、カネを払って時間を買うという意味では同じことなのに、どうして賄賂だけが違法なのか。

(公務員は公僕だからという倫理的な建前はさておき、)税収という観点から見ると、制度化された手続の対価は公金となるのに対し、賄賂は役人のポケットにしか入らない、という点が大きく違う。

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米国では、収入のない留学生も例外なく納税申告をしなければならない。徴税システムは基本的に全員から徴税することを前提としており、免税ステータスがある場合でも都度権利を主張しなければ課税される。興味深いのは、たとえ収入があって源泉徴収されている場合でも、源泉徴収には通常過不足があり、修正申告は(会社に勤めている場合であっても)あらてめて個々人でしなければならないのだとか。利用者に負担を押し付ける米国流の典型と言っていいかと思うし、あわよくば申告漏れで徴税出来たらラッキーくらいに思っているのが透けて見える制度だと思うが、どうか。




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