2010年1月18日月曜日

非相関 (3)

最後に、そもそもこの問題に「アレ?」と思った一番最初に戻ってみる。フィリピンのインターネット普及率が、あまりに低いと感じた。

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       <フィリピンの部分だけ抜粋> 
インターネット普及率 都市人口率    1人当たりGDP  
     (%)        (%)            (ドル)
      6.0      62.7           1,363

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フィリピンには、直近の3年間のうち、まず地方の小さな街に2年住み、その後ここ1年は出張ベースで出入りしてきた。そこでの実感と、ネット利用者が100人にわずか6人というのは、どうもズレが大きい。もっとずっと多いように見えたのだが。

問題を見直すと、これだけは出典が出ているので、まず、そもそも「インターネット利用者」とはどんな人のことを指すのかを確認してみた。(すぐ見つかるかと思いきや、重たいPDFファイルを開かないと載ってなかったのだが)データの取り方・扱い方に関するマニュアル(Manual for mesuring ICT access and use by households and individuals)というものがあり、「過去12か月間、場所は問わず(自宅でも、職場でも、友人宅でも、ネットカフェでもどこでもOKということ)インターネットを使用したことがあるか?」という問いが標準設定で、各国がそれぞれの実態に合わせアレンジしていいことになっているとあった。

フィリピンの場合(他の多くの開発途上国と同様)、インターネット自体は「こんな田舎にまで!」と驚くような所でも開通していたりする。ただし、それらは主に地方政府事務所やネットカフェであり、個人宅にネットが来ているというケースは、まだまだ少ないというのが実感だった。私はまず、この点がどう反映されているのかを確かめたかったのだが、上記のような標準設定の設問や、統計データの項目として「User」と「Subscriber」をちゃんと分けている点からして、問題はないと判断された。

次に、誰がネットカフェに来ていたのかを考えてみた。場所にもよるが、田舎の町角にあるネットカフェはどこも似たような客層だったように思う。それは、小中学生の子どもたち(フィリピンには中学はないので正確には「高校生」だけど)。宿題の調べもの――?いえいえ、みんなのお目当てはオンラインゲーム。子どもたちが帰ってくる頃になると、ネットカフェには爆音が響き渡り、さながらゲーセンのようだった。彼らはちゃんとUserとしてカウントされてるのかな?また、ふつうは友だちと一緒に何人かで遊んでいるので、中には「お金を払わない」Userもいるものだが、彼らはUserとしてカウントされるのか、されないのか。

それには誰がこの質問の回答者なのかを知る必要があるが、世帯ごとの調査にしても、個人にしても、子どものネット使用率が反映されない可能性が大きそうだ。世帯ごとだと回答するのは親だろうし、個人調査だと対象に含まれてすらいない可能性がある。

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ズレているといえば、都市人口率についても(こっちは出典不明なので調べられなかった)そうだなと思った。都市って、どこまでを「都市」としてカウントしているのかなあ(…まさか私がいた田舎町は「都市」じゃないよね?(汗)…と思って調べてみたが、国際的な基準というのはないらしい。だとすれば、統計と実態の間に大きな誤差が生じる余地はあるわけだ。


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だったら、なおさら。こういう問題を出すなら、はっきり差が分かる国・地域の組み合わせで出さないと。ヨーロッパから2カ国、アジアから2カ国、とかね。センター試験の問題としては、それが結論。当初抱いた疑問というか、違和感については、統計と実態/実感が非相関である一例なのかな、ということで終わりにしたい。

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