しかし、どうやら今年はGPSにもGISにも縁のありそうな予感である。GPSは「エルゴン山で遭難したら命にかかわる」というjustificationにやっと費用対効果を納得することが出来、お買上(笑 GISは仕事で触れそうだ。というわけで、一時帰国中に、こういうツールが実際どんなふうに役立つの?という素朴な疑問に答えてくれそうな実用書をいくつか買ってきた。
まずは一冊目の気楽な感想文。
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ちなみに、GPSとGISが何かについて素人説明すると、
GPS: 自分の現在位置をディスプレイに表示してくれるデジタル機器。Global Positioning System
GIS: 色んな情報を一度に表示できるデジタル地図。Geographical Information System
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『GISマーケティング:実践セミナー21例』
題名のとおり、マーケティングの作戦を立てる際にGISを使うと便利ですよ、という本。GISを使うということは、地図上に表示するということ。小学生の頃、白地図に人口密度別に色分けしてぬり絵をしたことがあったが、あれをデジタルでやればGISということになる。ぬり絵の場合、一度色を塗ってしまったらその色を消すのは難しいが、デジタルの場合、一度表示させてみて「あ、やっぱり不要だったな」と思ったらポチっとクリックして消せばいい。そうやって試行錯誤しながら、必要な情報を効率よく重ね合わせていくことができる点が、GISの強みかなと思う。
筆者のメッセージは明快だ。
「あなたのお客さんを地図に表示してみませんか?」――お客さんがどこにいるのかが分かれば、自分の店の商圏内にあとどれくらいの潜在的な需要が眠っているのかが分かり、重点的にDMやチラシを撒いたり、効率よく営業をかけたりすることができる。あるいは、新規に店を出す場合なら、なるべく多くの需要がありそうなところが自店の商圏内に入るように、場所を探すことが出来る。
そこで地図化するメリットは、たとえば、お客様カードなんかを使ってお客さんの住所だけがわかっている場合と比較すると分かりやすい。住所の羅列を見ただけでは、瞬時にそれが自店の商圏の内なのか外なのか、判断できない。一方地図であれば、お客さんひとりひとりが地図上にプロットされ、そこに自店を中心とした商圏を表わす円が重なれば、誰が見たってひと目で中か外かが分かる。
日本国内であれば(あるいは他の先進国でも似たような事情と推測するが)、データを重ねる際いわば台紙となる地形図のデータは国土地理院から入手することが出来、無料サービスで住所から即座に緯度・経度をはじき出せたり、自治体ごとの人口統計や法人の連絡先リスト(ハローページ)が入手できたりする。また、お金を出せば地域ごとの推定世帯所得といったデータも入手できる。こうなると、データの「重ね着」が得意なGISは便利なのだ。
だから私の印象に残った一文も、理由は明快だと思う。
「GISを使うにはデータが必要です」――そう、データが無いと使えないのだ。開発途上国には、信頼できるデータがほとんどない。人口をはじめ開発に必要な最低限の統計は、世銀などが定期的に数値を発表するが、そういうのも脚注までよく読むと、大部分が推計値だったりする。国全体でさえそのレベルのデータしかないのだから、県ごと、市ごと、村ごとのデータがほぼ存在しないのは想像に難くないかと思う。
最初はぼんやりと、GISが開発なり、開発途上国でのビジネスなりに役立つチャンスはないのかな、と思って本を読み始めたのだが、だんだんと「あ、このデータは無いな」「これも無いだろうな」と思うにつけ、データそのものを売りものにアフリカに進出したい企業や投資家(そして金を持ってる開発機関!)に売る方がいい商売になるのでは、と思えてきた。
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