2012年11月7日水曜日

ブーム

映画チャンネルをのぞくようになったのは、今のアパートに引っ越してからのことだ。前のアパートで過ごした2年は珍しく小説をよく読んだが、今年は映画がマイブームらしい。理由は自分でも全く分からないが、相変わらず飽きっぽいので、そのうち気付いたら観なくなっているのだろう。

『Arthur』 (2011)
聞き覚えのある有名な曲をテーマ曲に勝手に拝借しとる、と思ったら、その曲は元々この映画のものだったそうな。1981年の元の映画も続けて放映されていたので観てみたが、素敵なのは曲だけで、よくこんなんでアカデミーに届いたな――という印象(実際、日本ではそれほどヒットしなかったのだそうだが、納得の内容だ)。2011年版の方はヒロインが不必要にアホッぽくなく、主人公の屈折した感じもよく出ており、チープなおとぎ話なりにリアリティーを消し過ぎてなくて、安心して観られた。一方、1981年版の方は、恋に落ちる過程や必然性が全く見えないので、先に2011年版を観ていなければ、多分、これはどんなジャンルの映画なのか?ということから考えなければならなかったと思う。
ちなみに、曲とは『Arthur's Theme (Best That You Can Do)』(邦題:ニューヨークシティ・セレナーデ)のことだ。


『Shine of Rainbow』
日本語のサイトが見当たらなかったから、たぶん日本未公開なんだろう。2009年アイルランド映画となむ。大きな興行収入を狙うタイプの映画ではないが、こういう作品こそ小さな映画館でひっそり上映してほしいものだと思う。舞台となるアイルランドのおっそろしくド田舎をとらえた映像が、ともかく緑鮮やかで目を引いた。「色」がひとつのモチーフになっているストーリーなので、ひょっとしたら色合いの調整をかなりいじったのかもしれないが、映画でここまで青々とした草原を観たことがない。

孤児だった少年の成長と、彼を養子に引き取った養父母との絆を描く、基本的には良心溢れるストーリーだ。が、終盤せっかく仲良くなった養母が突然亡くなってしまう展開はやり過ぎな感じがした。そこまで悲しい展開にしなくとも、少年と養父が葛藤(――というより、養父はただ人見知りなだけかもしれないが)を乗り越えていく様は描けたのではないか。観客の涙腺を刺激し、かつストーリーを分かりやすくするためにということなんだろうけど、この明らさまな仕掛けが映画の質を上げているかと言うとそれはないので、やはり不必要なのだと思うが、どうか。


『Jonny English Reborn』
Mr.ビーンは(――英国ジョークは、かな)好き嫌いが分かれると思うが、私はローワン・アトキンソンのどこか憎めないところが結構好きである。ビーンも、映画は意外にもハートフルな展開でよかったし(『Mr. Bean's Holiday』2007年、フィリピンで観た)。
Jonny Englishは、もしも007がビーンだったら、という発想の、ゆるっゆるスパイ映画だ。期待どおり全編に下らなさが漂っていて満足である。カーチェイスを車椅子で逃げたり、間違えて女王陛下をボコボコにしてしまったり、せっかく追いつめた敵の目の前で誤って自分から転落しちゃったり。一寸先が読めるお約束のボケがメリハリなく続いていく。

本編とはあまり関係ないが、エンドロールの最後に挿入された、ビーン(Jonny)が音楽に合わせて料理するシーンは、この間のオリンピック開会式の演出に通じるものがあるなと思ったり。

0 件のコメント:

コメントを投稿