2014年6月29日日曜日

機上感想文


この間DCに戻る機上で、映画5本を鑑賞。ワンフライトで観た映画本数の最高記録を樹立したのだった(笑


◆ ◇ ◆


『小さなおうち』 (2014年、日本)

ストーリーは映画にするほどの内容でもないと思ったが、自叙伝を執筆するお婆ちゃんにわざわざ「1937年は楽しかった」と言わせ、 それなりに歴史を知っている甥っ子に反論させている場面が秀逸だと思った。確かに日本史では、1937年はすでに日中戦争が泥沼化し、年末には南京事件も起きた年だと習う。

しかし、そう指摘する甥っ子に、お婆ちゃんは断固再反論する。そんなことはない、1937年は明るくて楽しい年だったと。南京が陥落し街はお祭り騒ぎ、主婦にとっては戦勝”記念”セールに心躍る出来事となった。もうすぐ戦争は終わりそうだという明るい見通しとともに新年を迎えたのだと。観る側は直感的に理解する――たぶん、彼女の感じた時代の空気感は間違っていなかったのだろうと。たとえば私だっていつか言われるかもしれない。お婆ちゃんの青春時代って『失われた20年』だったんだよね?みんな暗かったんでしょ? ――なんて。ん~なわけなくても、”結果論”としての歴史を知っていると、かえって時代の空気みたいなものは見えなくなるのが常ではないかと思う。



『マンデラ~自由への長い道』  (2013年、イギリス・南アフリカ)

アフリカと歴史が好きな身ゆえ教養として抑えておきたいけれど、映画館に行くほどでもなあ、と思っていたら機内の上映リストにあった。ラッキー。 冒頭、主演俳優があまりに本物と似ていない気がしてストーリーに集中できなかったのだが、後から調べたら意外と大柄だという点は史実どおりのようだった。どうも、ガンジーやキング牧師といった”同系統”の歴史的人物たちと混同してしまいがちだが、身長はガンジー164センチ、キング169センチに対し、マンデラは183センチだったそう。確かにでかい。

マンデラ本人が書いた自伝を原作とし、映画の内容も本人の強い意向で「偉人伝」としてではなく、 短所やスキャンダルもきっちり描く「等身大」を意識した内容になっている。最初の奥さんを浮気で捨てた罰だったのか、以後家庭生活にはとことん恵まれなかったマンデラだが、やはり彼の評価は政治家として、あれだけ許し難い暴力と圧政を強いた白人に対して復讐ではなく融和をもって国内をまとめたこと、そして長い苦難の末やっとつかんだ権力の座だというのに、しがみつくこともなくアッサリ次世代に譲ったこと、の二点に尽きると思う。

ハリウッド映画なら、さしづめ牢獄から解放されたシーンで大袈裟な音楽でも流して終わらせてしまいそうなところだが、解放されてからの顛末もきちんと描いたところに好感を持てる作品だと思った。



『インビクタス/負けざる者たち』 (2009年、アメリカ)

その、ハリウッドが描いたマンデラが、1995年のラグビーW杯南アフリカ大会を題材にとった本作だ(つまり、ワンフライトでマンデラ関連作品を2本立て続けに見た)。良くも悪くもハリウッドらしい、底は浅いがエンターテイメントとして手堅くまとまっている印象の作品。ラグビーはフォローしていないのでこの試合のことは映画になるまで知らなかったが、マンデラとスポーツと言えば、2010年のサッカーW杯決勝戦に車椅子で出てきたのはLIVE中継で観ていたので今でも印象に残っている。


◆ ◇ ◆


他の三作品は『ダラス・バイヤーズ・クラブ』、『永遠のゼロ』、『トリック劇場版 ラストステージ』。『ダラス――』は気が向いたら書くかもしれないが、『永遠のゼロ』はファンタジー過ぎる話の内容にげんなりしてコメントに値しない。『トリック』はTVシリーズ未見ということもあって最初と最後しか起きていなかったので書けない。


0 件のコメント:

コメントを投稿