2014年3月15日土曜日

米国インフラ・ファイナンス(4)

プレゼン資料(担当分)

実際に使用した、エンジニアリング・アドバイザー部分の発表スライドを自己満足大公開(笑!プロジェクト関連資料の関連箇所は20ページ程あったが、なるべくストーリー性を持たせることを心がけ、3枚のスライドに集約した。『ニーズが見えるような水道システム概要紹介→問題点の指摘→解決策の提示→リスクと緩和策』という流れにして、融資対象プロジェクト(『10か年計画』)の必要性を訴えたつもりなのだが、どんなものだろうか。


  1. イントロ ニューヨーク市の人口は850万人。水の供給には安全性、効率性、持続性が欠かせません。
  2. 水供給キャパ: ニューヨーク市は60年代の史上最悪レベルの干ばつにも耐えるなど十分な水源を持ち、水質も環境保護庁から『フィルター不要』と認定されるほど良質です。
  3. インフラ規模と問題点: 水源から各戸に水を供給する配水管は、トンネル300㎞、上水道パイプ1万1000㎞、下水道パイプ1万2000㎞にもなります。これだけのインフラを良好な状態に保つには、当然のことながら常時一定の維持管理活動を行う必要があります。とりわけ上下水道のトンネルやパイプは築後100年を経過したものが2-3割にものぼり、破損による漏水や汚染が懸念されています。
  4. 問題点への対処: このためニューヨーク市水道局では、既存トンネルを送水停止のうえメンテできるよう、2カ所でバックアップ用の迂回トンネルを建設中です(地図中の赤部分)。また、安全性を高めるため下水処理施設の改修も行っています。私たちは、この規模のインフラの維持管理には世代をまたぐような長期的な取り組みが不可欠であると認識しています。




  1. 融資対象の紹介: (前のスライドの「問題点への対処」を受ける形で、)具体的には『水道システム改善10か年計画』(総額140億ドル)を策定し、長期的見通しを持ってこの問題に取り組んでいます。ご覧いただけますように、資金の半分を水質汚濁対策と上水道システム改善に充てています。
  2. これだけの大金をどうやってファイナンスするのかについては、後ほどニューヨーク市CFOからご説明さしあげます。
  3. 小ネタ(Fun fact): ちなみに、上の写真は20世紀初頭マンハッタンに建設されたトンネル1の工事風景、下の写真は現在建設中のトンネル3になります。トンネル3はトンネル1の迂回トンネルとなっており、トンネル1はトンネル3の完成次第、送水を停止して大規模なメンテが実施される予定です。






  1. 最後に、計画実施上のリスクと緩和策についてご説明します。時間の都合上全部には触れませんが、一点ニューヨークならではのリスクについて触れておきます。
  2. リスクの事例紹介: それはテロ・リスクです。私たちはとりわけ、水質が良好であるがゆえにフィルターを通していない上水道が、テロリストの攻撃対象となることを恐れています。すなわち、水源地に有害物質が投棄されるような場合、現在のシステムでは浄化されることなく蛇口まで届いてしまいます。
  3. 緩和策の紹介: この点に対処するため、ニューヨーク市水道局では先の『水道システム改善10か年計画』にガードマンの増員や、異常を察知・通報する機器の導入を盛り込んでいます。
  4. 次の発表者へのつなぎ: エンジニアリング面のご説明は以上です。引き続き、140億ドルの融資計画について、ニューヨーク市CFOからご説明いたします。

◇ ◆ ◇

とまあ、実は、前職関係者が見ればなんてことない、よく見かけるようなプレゼンをしたわけだが、教授からもクラスメートからも『分かりやすい!』と好評だった。とりあえずきっちりチームに貢献できてホッとしたわけだが、このプレゼンからの学び(takeaway)という意味では、チームメイトたちの担当部分から勉強させてもらったところが大きかった。



米国インフラ・ファイナンス(1)
米国インフラ・ファイナンス(2)
米国インフラ・ファイナンス(3)
米国インフラ・ファイナンス(4)
米国インフラ・ファイナンス(5) 
米国インラフ・ファイナンス(6)(完)

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