2014年3月15日土曜日

米国インフラ・ファイナンス(3)

プレゼン構成

チーム内であらかじめ指定された役職のロールプレイをすることが求められたため、それぞれの職務内容を参考に内容を組み立てた。プレゼン準備の中でここが一番時間かかったし、出身業界の違いから意見対立する場面も多かった。一般論として特にファイナンス出身者は自信満々で論破するのに骨が折れるタイプが多いように思うが、今回はチーム内に国際協力のインフラ畑出身者がもう1人いたので、心強かったし必要以上にdefensiveにならなくていいという点で気楽だった。

1、ニューヨーク市長(コンサル出身米国人)
  • 経済概況
  • 水道の重要性
  • ボンド概要
2、エンジニアリング・アドバイザー(私)
  • 水道システム概要
  • システム改修10カ年計画
  • リスクと緩和策
3、ニューヨーク市CFO(国際協力インフラ出身韓国人)
  • 市の信用力格付け
  • 市の財政状況
  • プロジェクトの財務分析
4、投資銀行(ファイナンス出身韓国系、オペレーション出身韓国人)
  • ボンド発行条件(償還期間、利率、オプション)
  • 借入金の使途
  • 法的拘束力


意見相違があった点

よりによって私の担当箇所であるエンジニアリング・アドバイザーの扱いをめぐって意見が真っ二つに割れ、なかなか執筆作業に入れなかった。開発業界出身の我われからすると、マクロな視点から入り個別案件の話に落としていく上記のような構成は極めてスタンダードなものであるし、融資対象案件の説明もある程度の分量を割いて行うのが当然という感覚だ。一方、ファイナンス出身の彼に言わせると、投資家の唯一の関心はボンドが確実に利益を上げるか否かなのであり(=格付けやデフォルトリスク)、エンジニアリング面の説明は不要とのことだった。

確実なリターンのためには、融資案件内容が健全で収益性のあるものでなくてはならないはずだというのが我われの言い分だったが、その点をいくら説明しても首を縦に振ってくれない。最後はやむなく、教授の助言という“奥の手”を使いやっと納得させたのであった。

  • エンジニアリング面の説明深度
    • インフラ出身:融資対象案件内容について当然説明する必要アリ
    • ファイナンス出身:投資家の関心外なので、説明は不要
  • 借入金使途説明の要否
    • 他全員:自分が購入するボンドが何に使われるのか、投資家として知りたい
    • ファイナンス出身:リターンが稼げればそれでいいので、使途には興味ない
  • 構成の順番
    • 当初案では、投資銀行を市長の次に置いていたが、『概要→案件説明→どうやってファイナンスするか』という流れの方が分かりやすいということで途中で変更。
    • 私は元々後者を希望していたので、チームが構成順で悩みだした時、すかさず提案、後者の方が開発案件ではごく一般的である点にも言及して、すんなり採用された。

手前ミソな後日談だが、今日行われた各チームの最終プレゼンを見てみて、実際これらの点をどう扱うかがプレゼンの分かり易さを大きく左右していたように思った。

というのも、与えられたプロジェクト関連資料では、いずれも冒頭にボンド発行条件の説明があり、借入金使途や融資対象案件については中ほどになるまで出て来ず、かつ場合によってはひどく断片的だったり具体的内容が分かりにくい記述しかなかったりした。このため、ほとんどのチームはそれに引きずられ、ボンドの説明から入り、案件内容には後半になるまで触れないか、あるいは全く触れないかという構成だった。多分ファイナンス出身の彼も同じ発想だったんだろうなと思う。

しかしその場合、何にお金が必要で、どうして起債したいのか、という基本的なストーリーが見えないままに『このボンドいいですよ!買ってください』というセールストークを聞かされるわけなので、どうしてもイマイチ説得力に欠ける印象だった。中には最後まで融資対象がよく分からない発表もあり、前のエントリを書くために(つまり、たったひと言内容を説明するだけなのに)彼らが使った分厚いプロジェクト関連資料をわざわざ参照する必要があったくらいだ。


米国インフラ・ファイナンス(1)
米国インフラ・ファイナンス(2)
米国インフラ・ファイナンス(3)
米国インフラ・ファイナンス(4)
米国インフラ・ファイナンス(5)
米国インラフ・ファイナンス(6)(完)


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